2017年3月10日、横浜ランドマークタワー25階においてポストドクター・キャリア開発事業の成果報告『横浜国立大学・宇都宮大学・横浜市立大学3大学合同シンポジウム』が開催されました。
本事業を通じたポストドクターのインターンシップ受け入れ企業の事例として株式会社テクノプロ テクノプロ・R&D社 執行役員 檀野直志と、インターンシップ後にテクノプロ・R&D社に入社し、現在大阪支店で活躍している林 大次郎が登壇しました。
ポストドクター・キャリア開発事業とは?
2012年10月にスタートした『ポストドクター・キャリア開発事業』は、大学院教育の中に専門能力を活かすキャリア教育を組み込むことで、社会で広く活躍できるドクター人材を育成することを目指したもので、工学系・社会学系は横浜国立大学が、農学系・光学系・医療系は宇都宮大学と横浜市立大学が受け持つ形で3大学が連携して推進されてきました。
この事業の背景には、博士課程後期修了者やポストドクターのキャリアパスが非常に限られてしまっているという日本が抱える課題があります。
ポストドクター・キャリア支援事業で育成を目指している人材像
・専門的知識や技術を様々な問題に活用できる専門応用能力
・複数の専門分野を融合できる知識や方法論を獲得する能力
・研究等プロジェクトを推進するマネジメント能力
目指す人材を育成するための取り組みとして、長期インターンシップやキャリア開発支援プログラム(リーダー養成講座、キャリアパスフォーラム、グローバルキャリア開発研修、ドクター交流会、三大学合同合宿、企業ガイダンス、キャリアセミナーなど)が計画的・継続的に実施されました。
3大学合同シンポジウムプログラム(敬称略)
1.開会挨拶 | 横浜国立大学学長 長谷部 勇一 |
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2-1.基調講演 | 科学技術振興機構 副理事・ダイバーシティ推進室長 渡辺 美代子 |
2-2.基調講演 | 株式会社TNPパートナーズ 代表取締役社長 呉 雅俊 |
3-1.インターンシップ報告 | 株式会社テクノプロ テクノプロ・R&D社 執行役員 檀野 直志 同社 大阪支店 林 大次郎 |
3-2.インターンシップ報告 | 株式会社理研グリーン 執行役員開発普及本部グリーン研究所所長 菅谷 昌司 同社 開発普及本部グリーン研究所 岡崎 麻衣子 |
4.成果報告 | 横浜国立大学 理事・副学長 森下 信 |
5.閉会挨拶 | 宇都宮大学 理事・副学長 池田 宰 |
ポストドクター・キャリア開発事業の成果
長期インターンシップでは、約45のインターンシップ受入協力先で合計48名がインターンシップを修了しました。また、リーダー養成講座には、5年間で延べ414名が参加し、企業担当者の講演などを通して、企業の研究開発リーダーになるために必要となる実践的で基礎的な知識を習得しました。
また、今回の事業では横浜国立大、宇都宮大、横浜市立大の3大学の連携による取り組みでしたが、実際には3大学以外で活躍するポストドクターも多数参加し、今後のポストドクターや大学院卒業生の活躍の場の拡大に向け、意義深い取り組みとなりました。
今後の取り組み
2017年3月でポストドクター・キャリア支援事業は、一旦区切りとなりますが、横浜国立大学「研究推進機構 産学連携推進部門 ポスドク等キャリア支援室」、宇都宮大学「地域共生研究開発センター」、横浜市立大学「キャリア支援センター」が中心となり、次なるステップへ向けた取り組みが既に開始されています。
テクノプロ・グループは、引き続きドクターが専門的知識や技術を活かし、社会で活躍できる制度作りを応援してまいります。
(※役職等は、取材時点・掲載時点)
(2017.03.10)