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第10回科学の甲子園全国大会/京都府代表 洛北高等学校が優勝

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)主催による第10回科学の甲子園全国大会が、2021年3月19日(金)から21日(日)の3日間にわたり、つくば国際会議場とつくばカピオ(いずれも茨城県つくば市)を舞台に開催され、各都道府県における代表選考にエントリーした606校7,186人から選抜された47の都道府県代表校が、6人から8人のチームでさまざまな課題(筆記競技、実技競技)に挑戦して総合点を競い栄冠を目指しました。

科学の甲子園は、国立、公立、私立の高等学校、中等教育学校後期課程および高等専門学校などの生徒たちを対象として、科学技術・数学・情報などにおける複数分野の競技を開催しています。全国の科学好きな生徒らが集い、競い合い、活躍できる場を構築し、提供することで、科学好きの裾野を広げるとともに、トップ層を伸ばすことを目的としています。

昨年開催が予定されていた第9回大会は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響を受け、開催が中止となってしまい参加を予定されていた生徒さんにとっては残念だったと思いますが、第10回大会は、無観客開催とYouTubeチャンネルでの配信という形にはなりましたが、主催するJSTや大会運営にあたる関係各位の工夫や努力によって無事に開催されたことは、生徒さんにとっては何事にも代えがたい貴重な体験になったことと思います。大会会場では、参加生徒や大会関係者の安全に配慮し、さまざまな感染防止対策がとられ、行動履歴記録のため接触確認アプリ「COCOA」と「いばらきアマビエちゃん」も導入されました。

実技競技の様子

2021年3月20日(土)、つくばカピオを会場として3種目の実技競技が行われました。

実技競技①「Challenge-18」は、時代の流れにも後押しされるかたちで、久しぶりにコンピューターを使ったプログラミング競技が登場しました。この競技では、プログラミングによる問題解決の有用性を感じてもらうことが意図されています。各チームには2台のノートパソコンが用意され、パソコン画面を通して出題される問題を手計算やプログラミングで解き、解答はパソコンに入力します。入力された解答は直ぐに採点され、各チームの解答状況や順位の推移がスクリーンに映し出され、リアルタイムで確認することができます。
1時間40分の競技が終了し、筑波大学附属駒場高等学校(東京都)と愛知県立旭丘高等学校(愛知県)が全問正解となりましたが、あらかじめ同点も想定し、ある特定の問題の解答時間によって順位が決まる仕組みが組み込まれていた結果、第1位は筑波大学附属駒場高等学校となりました。

実技競技②「Xの正体を暴け!~アスコルビン酸と有機酸Xの滴定~」は、3種類の化学実験から有機酸Xの正体を暴く競技です。2つの物質の性質の違いを利用した“滴定”と呼ばれる実験が肝になっていて、限られた時間の中で精度の高いデータを得るために、綿密な実験計画、実験技術、知識を使う力や思考力、そしてコミュニケーションとチームワークが求められます。
実技競技②の第1位は北海道旭川東高等学校(北海道)、2位は久留米大学附設高等学校(福岡県)となりました。

実技競技③「シャトルウィンドカー」は、モノづくり競技です。モーターと自作のファンを含む送風機構からの風の力だけを利用して、直線状のコースを往復走行できるシャトルウィンドカーを制作します。往路は送風機構のみで走行し、復路では台車の向きを変えずに送風機構に別の機構(反転機構)を組み合わせて逆方向に走行する、という競技です。一見簡単そうな競技ですが、コースを折り返す際に、シャトルウィンドカーの向きを変えてはいけないというところがポイントで、いかにして風の向きを逆にするかとい部分に、課題解決のため自由な発想が求められます。

結果は、群馬県立前橋高等学校(群馬県)、栄光学園高等学校(神奈川県)、富山県立富山中部高等学校(富山県)、京都府立洛北高等学校(京都府)、愛光高等学校(愛媛県)、土佐高等学校(高知県)、宮崎県立宮崎西高等学校(宮崎県)の7校が満点を獲得し、全7校が1位となりました。
モーターを走行方向に対して縦に配置してプロペラで風を発生させて進む、という考え方が発想しやすいと思われる中で、1校だけ換気扇をモデルにしてモーターを進行方向に対して横に配置していたり、プロペラ形式ではなくジェットエンジンや発電機のタービンのような構造を活用する学校があったりと、まさに自由な発想があちこちに見られたことはすごく印象的でした。

第10回科学の甲子園全国大会 総合成績

19日の筆記競技、20日の実技競技3種目が無事終了し、得点を合計した総合成績の結果は以下の通りです。

優勝 京都府立洛北高等学校(京都府)
第2位 渋谷教育学園幕張高等学校(千葉県)
第3位 静岡県立浜松北高等学校(静岡県)
第4位 長野県松本深志高等学校(長野県)
第5位 三重県立四日市高等学校(三重県)
第6位 富山県立富山中部高等学校(富山県)
第7位 久留米大学附設高等学校(福岡県)
第8位 埼玉県立浦和高等学校(埼玉県)
第9位 栄光学園高等学校(神奈川県)
第10位 群馬県立前橋高等学校(群馬県)

詳しい情報は、大会ウェブサイトhttps://koushien.jst.go.jp/koushien/をご覧ください。

工夫を凝らした応援フラッグ紹介

主催者JSTから配布された、大会名・県名・学校名・アッピン(イメージキャラクター)のみが印刷された応援フラッグに、各校が思い思いに工夫を凝らし、会場の雰囲気も盛り上がります。

今回の大会では、主催のJSTの方をはじめ運営にあたられた方、学校関係者の皆様のご苦労やご心配は絶えることがなかったかと思います。
テクノプロ・グループは、JSTの大会開催の趣旨に賛同し協賛企業として応援しています。

科学の甲子園についてのお問い合わせは下記までお願いします。
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)理数学習推進部 才能育成グループ
TEL:048-226-5665 E-Mail:koushien@jst.go.jp

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