対談

技術サービスという働き方とはvol.1(日本経済新聞掲載)

フリーキャスター唐橋 ユミさんとテクノプロ・ホールディングス社長兼CEO 西尾 保示が対談いたしました。

新しい時代の働き方とは何か

日本経済新聞朝刊広告紙面にて掲載(2016年12月26日)

生産性を高め、働きやすい環境を実現するため国の働き方改革が進んでいます。長年この課題に取り組んできたのが、人材サービス業界です。日本の技術の発展を支えてきた派遣技術者は、新しい時代の働き方としても脚光を浴びています。どのような時代の変化があるのか、フリーキャスターの唐橋ユミさんが、技術系人材サービス大手、テクノプロ・ホールディングスの西尾保示社長兼CEO(最高経営責任者)に聞きました。

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唐橋 いま国を挙げて働き方改革の議論が進んでいます。技術系人材サービス会社の立場から、どう見ていますか。
西尾 この業界にはいま議論されている課題に対して、先んじて取り組んできた経験があります。例えば「雇用吸収力の高い産業への労働力の移動支援」。産業や企業の栄枯盛衰は常ですが、ときに派遣技術者の契約終了につながります。しかし派遣技術者は人材サービス会社の正社員なので、我々は必死で次の仕事を見つけてきました。社員の経験や技術力とお客様のニーズをマッチングさせ、人材を求める業界に活躍の場を広げてきました。本気で社員を教育し、本気で新しい顧客を開拓することで、労働力の流動化に真っ先に取り組んできたのです。  
「女性や高齢者の活用」もしかりです。派遣技術者は常に新しいスキルを身につける努力を続けている限り、仕事はなくなりません。性別や年齢にかかわらず働ける職種です。事実、当社のグループ企業には70歳を超えて働いている技術者もいます。
「人材育成」でも先頭を走ってきました。スキルの高い技術者が大勢いることが会社の競争力に直結します。社員を教育・研修することへのインセンティブがすごく高い業界なのです。

唐橋 9月に東京都から「TOKYO働き方改革宣言企業」に承認されました。
西尾 技術者派遣では働いた時間を金額に換算してお客様に請求することが原則なので、もともと労働時間に対する考え方がしっかりしています。今回、「適正な労働時間の管理で過重労働を撲滅」「自己実現を可能とするために休暇を取得する企業文化の醸成」の2つの宣言が東京都に承認されましたが、これらは以前から最優先課題として取り組んできたことです。私自身も「休みをしっかり取って自己実現や家族サービスに充てよう」と社員に直接呼びかけています。

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唐橋 いま長時間労働が大きな問題になっています。
西尾 その対策として大事なことがあります。1つは残業時間を全て記録し、まず実態を正確に把握すること。ルールだけ作るような小手先の対策では、長時間労働が無くなるどころかサービス残業を助長することにもなりかねません。実態を把握・分析した上で、個々人が仕事の生産性を上げ、総労働時間を減らす継続的な取り組みが重要になってきます。
唐橋 私もいろいろな場所で仕事をしますので、派遣技術者の方々には親近感が湧きます。現場ではプロとしての仕事ぶりを求められ、私もそのつもりで全力を出し切ります。その全力投球が爽快ですね。
西尾 私は銀行出身ですが、いくつかの会社を経験してきましたので、派遣技術者の気持ちは分かります。私も全力を出して来ましたし、当社の技術者も全力を出してくれています。これからは、就業形態を問わず自分の経験や能力、知識、技術を生かし、個人が誇りを持ってやりたい仕事に邁進(まいしん)する時代ではないでしょうか。それによって日本の企業や産業が活性化していく。その意味で派遣技術者はこれからの働き方の大きな選択肢になると思っています。
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