社員インタビュー

エンジニアインタビュー/上坂 学


テクノプロ・デザイン社は現在、人工知能や機械学習などの領域におけるデータ分析を手掛ける株式会社ALBERT(以下「アルベルト」)との協業を通じてデータ分析サービスの提供を行っています。テクノプロ・デザイン社では、現在も人材が少なく将来的にも絶対的な不足が見込まれるデータサイエンティストの輩出を企図し、これまでにアルベルトが実施してきた養成講座に最先端の技術動向を加味した教育プログラムを開発。ケーススタディを通じた実践的な演習問題やOJTなどを通じて即戦力データサイエンティストを育成しています。今回は3か月の座学研修を終え、その後3ヵ月間のOJTに就いて約1か月が経過したテクノプロ・デザイン社ソリューション事業部の上坂学さんにお話をお聞きしました。

新たな挑戦の場を求め研究の世界から民間企業へ

―上坂さんがテクノプロ・デザイン社に入社されるまでの経歴について教えてください。

上坂 まず学生時代についてお話しすると、私は昔からヒトの身体がどういう仕組みで動いているのかについてすごく興味があったので、高校を卒業後は人体の動きのメカニズムを力学的に明らかにする「バイオメカニクス」を学ぶために工業系の大学に進学して生命システム関連学部に入りました。そこで主に研究していたのはいわゆる「スポーツ科学」と呼ばれる領域で、特にスポーツ動作をモーションキャプチャや床反力計などの計測装置を用いて体の動きを定量し、パフォーマンスの高い動きや障害が発症しやすい動きの特徴やメカニズムを明らかにする研究をしていました。その後、大学院へと進んでからは画像データ処理の研究室で方法論を研究しましたが、その頃に私が作成した可視化システムは現在でもスポーツの世界で実際に活用されているんですよ。
 ヒトの身体の動きは簡単そうに見えて、その仕組みは実はものすごく複雑なんです。例えば肩関節は、主に鎖骨、上腕骨、肩甲骨と3つの骨から構成されていますが、それぞれがジョイントされ相互に関連しあうことで他の関節にはない大きな可動域を有します。肩関節運動の複雑な連動運動をより詳細に定量することで、野球や水泳などにおいて競技力の高い選手やけがをしやすい選手の肩の動きの特徴を明らかにすることができます。そのための方法論の開発から取り組み、障害やパフォーマンスのメカニズムを明らかにしてゆくことは、私にとって非常に興味深いものでした。
 そうして大学院を卒業する時期を迎えましたが、当時他の大学でポストドクターの仕事に空きがありましたので、しばらくは学生の研究をサポートしながらポスドクとして自分自身の研究を続けました。
 そのポスドクの仕事も一通り終わったタイミングになって、「この機会に新たな挑戦をしたいな」と思い立ち、民間企業に勤めることを考え始めるようになったんです。

自分の市場価値を上げることが「安定して働く」ことにつながる

―数多く存在する民間企業の中から、入社先としてテクノプロを選んだ理由はどういったものだったのでしょうか?

上坂 大学・大学院とスポーツ科学を通じてさまざまな分析手法をC++やCLI、C#などのプログラミング言語で実装し、他の研究メンバーが利用できるようアプリ化してきた経験から、IT系のエンジニアリング領域の仕事を希望して就職活動をしていました。もちろんデータサイエンティストにはとても興味を持っていましたし、できることならばやってみたい仕事の一つでした。
しかし、統計学や機械学習に関する非常に高度な専門性が要求されることを考えると、私の専門領域での経歴やスキルセットではデータサイエンティストの仕事に就くことは難しい、少なくとも十分な準備期間を要するだろうと考えていました。そのため、データサイエンティストを転職活動のメインストリームには据えていませんでした。
 また、就職活動を進めていく中で「会社がいつ倒産してもおかしくない今の時代に『安定して働く』ということはどういうことなのか」ということについてもいろいろと思いを巡らせました。
 倒産しない会社を見つけられればそれも「安定」と言えるかもしれません。しかし何が起こるかわからない今の時代に倒産しない会社なんて存在しないと思うんです。そこでいろいろと思案してみた結果、「自分自身の市場価値を上げて、特定の会社だけではなく社会全体から必要とされるエンジニアになることが『安定』だ」というのが自分なりに得られた答えでした。
 一つの会社に長く勤めれば、当然その会社で必要な一定範囲の知識やスキルは向上します。職場環境に最適化することもできるでしょう。でも、それでは自分自身の市場価値は向上しないと考えたんです。
 そういった観点からいろいろと調べてみたところ、ずっと成長し続けることができる働き方として技術者派遣という形が自分に最適だと結論付けることができました。
そして、ちょうどそんな考えを抱いていた時期にテクノプロ・デザイン社を知り、データサイエンティスト育成コースがあると分かって早速応募しました。
 実際に会社説明を聞いてみると教育研修制度が整っているようで、その点にも魅力を感じましたね。ただ、自分が制度を使って研修を受講することを重視した訳ではありません。少し生意気な言い方かもしれませんが、勉強そのものは会社の制度に頼らず独力でもできますし、これまで自分もそうしていろいろ学んできたつもりです。
 それよりも、私は以前から「社員の育成に対して深い理解があり、しっかり制度を整えている会社はきっと『働きやすい会社』に違いない」と思っていましたので、教育研修制度を充実させている会社かどうかを会社選びの重要なポイントにしていたんです。
 結果として、「『安定して働く』の実現」「働きやすい会社」「データサイエンティストの仕事」といった私自身の希望や条件の多くが合致したこともあって、迷うことなくテクノプロ・デザイン社への入社を選択できたという感じですね。

自分の「こうしたい」よりチームのため「こうすべき」が大事

―仕事を進める上で注意していることがあれば教えてください。

上坂 注意しているというよりも私自身の心構えみたいなものになってしまいますが、まずは担当しているチームや仕事の方向性や組織全体を考えることを大事にしています。仕事はチームで取り組むものですから、チームのゴールに向けた課題を把握して、その課題の解決に向けてチームの一員として何をすれば解決への近道になるのかを考える必要があります。それによって「こうしたい」という自分の望みではなく、「こうすべき」という自分が果たすべき役割が見えてくるのではないでしょうか。
 どんな作業も自分自身にとって貴重な蓄積になるはずですし、チームに積極的に協力・参画すればチームが目的を達成する瞬間や、そこに至るまでのプロセスといったものを直接目にしたり、体験したりすることができます。そういった意味でもチームで得る成功体験がかけがえのない経験になることは間違いないと思います。

―最後に、上坂さんが考える「データサイエンティストに向く人物像」について教えてください。

上坂 まずは、プログラミングスキルデータベースに関する知識は絶対に必要でしょう。あとは科学的・合理的なことを扱う仕事をしたいという気持ちがあって、新しいスキルを身に付けることを自分の中でハードルと考えずに積極的に取り組める人。こういった方にはどんどんデータサイエンティストに挑戦してほしいと思います。

(2018.4.5)

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