社員インタビュー

多様性が生み出す力で公共分野のDXを支援

日本全国の自治体や公共団体で使用されている公共向け業務システムなどに関する技術サービスを提供する、株式会社テクノプロ テクノプロ・IT社(以下「テクノプロ・IT社」)公共ソリューション事業部に所属する古泉英二さんと山口一成さん。業務SEとして30年以上勤めた企業からテクノプロ・IT社に活躍の場を移した古泉さんと自治体職員からITエンジニアへの転身を決断した山口さんに、それぞれの選択の背景にある想いなどについてお聞きしました。

PROFILE

古泉 英二
Koizumi Eiji

テクノプロ・IT社
公共ソリューション事業部

山口 一成
Yamaguchi Kazunari

テクノプロ・IT社
公共ソリューション事業部

公共分野での新たな挑戦のためにテクノプロ・IT社へ

今日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。特に山口さんは京都からいらしていただいたそうで、大変ご足労をおかけしました。

山口 実は、今日一緒にインタビューを受ける古泉さんとは普段同じお客さまの仕事を担当していますが、私は大阪、古泉さんは東京で勤務していますので実際に顔を合わせるのは今日が初めてなんです。チームメンバーの顔を見る良い機会で、楽しみにしていました(笑)。

古泉 普段から電話やオンラインで頻繁にやりとりしているので、初対面といっても全然そんな気はしませんけど(笑)。

同じお客さまをご担当という話が出ましたので、まずは現在のお仕事についてお聞かせいただけますか。

古泉 いま、私たちが担当しているお客さまは公共向けにソリューションを提供しており、自治体を対象としたパッケージ製品の運用・保守業務を任されています。

山口 主な業務は、固定資産税や子育て支援制度といった行政関連システムの維持管理、運用支援ですが、そのほかに2025年に迫っている国のシステム標準化に向けたフィット&ギャップ分析など、各自治体のニーズに合わせた支援・助言なども行っています。

おふたりとも公共ソリューション事業部には最近ご入社されたとお伺いしていますが、テクノプロ・IT社に転職された経緯を教えていただけますでしょうか。

古泉 私は、業界大手の系列企業としてシステム開発の会社で30年以上働いていたのですが、業界の老舗ということもあり会社内の設計開発やマネジメントの手法が確立されていたため、仕事に変化を感じにくくなっていたことが転職を考える契機になりました。定年を間近に控えていたこともあり、私より若手の40代をはじめとする人たちが中心的な役割を担うプロジェクトの中でサポート的なポジションを任されることが増え、定年までの、そして定年後再雇用となった後の自分の先行きと限界がイメージできてしまったんです。私自身は、長年公共向けのシステム開発で培ったノウハウを活かしてまだ現場で活躍したいという気持ちがありましたし、思い切って環境を変え、新たなチャレンジをしてみたいと思い転職活動を始めました。幸いにも家族からの反対もなく、「あなたの人生だから好きなことをやったら」と背中を押してもらいました。

山口 私の転職のきっかけは、まさにコロナ禍でしたね。
京都府内の市役所に新卒で入職し、直近では、企画課に配属されて情報システムと広報の業務を8年間担当していたのですが、その後、観光やビジネス戦略部門で、市民や民間企業と協働し地方創生関連の業務を3年経験しました。そして、2020年から情報システム部門を含む企画課長を拝命したタイミングで、コロナ禍を迎えることになったのです。
 皆さんもご経験されたとおりコロナ禍の3年間で社会は劇的に変化し、私自身もチャットやテレワークの導入や電子申請の推進、SNS等を活用した情報発信などに全力で対応しましたが、住民の皆さんに広く満足いただけるレベルで行政をデジタル化することは容易ではないと痛感しました。そこで、自治体の実情をよく知る自分のような人間が専門知識を身に付けて行政のIT化をバックアップすることで、より行政のDXに貢献できるのではないかと考え、エンジニアへの転身を決意しました。
 また、コロナ禍の対応に追われていた時期などはほとんど休みなく働いていて、気持ちにも余裕がなく、常にピリピリしていたんでしょうね。転職を意識していた時に、子ども達からは「自分達のことは気にせずに、そろそろ自分のやりたいことをしていいよ。」と言われたことも大きかったのだと思います。
 社会環境が落ち着いたこともありますが、実際にテクノプロ・IT社に入社後はプライベートの時間もしっかり取れるようになり家族も喜んでくれていますし、転職後に当時の同僚に会った時には「昔より健康的な顔になったな!」と言われました(笑)。

さまざまな企業の中から、最終的にテクノプロ・IT社に入社することを決めた理由をお聞かせください。

古泉 私は先ほどお話しした通りシステム開発の現場で長く仕事をしてきましたが、前職の会社にはPMO(※)の組織がなかったので、自分の公共分野での経験を活かしつつそういった役割でプロジェクトに関わるチャンスがある会社を探しており、その中でテクノプロ・IT社に応募することになりました。
 テクノプロ・IT社についてはあまり詳しく把握していなかったのですが、面接の際に事業の内容を聞いて、これまで培ってきた公共分野での専門知識が活かせそうなこと、また事業部長から「古泉さんの経験を活かしてぜひ公共分野で活躍してほしい」と言っていただき、意気に感じたことから入社を決めました。
 また、自分も良い年齢ですので、これまでの経験を後進に伝えたいという気持ちもあり、設立されてまだ日の浅い部署である公共ソリューション事業部の若手エンジニア育成という面でも役に立てるのではないかと考えたことも理由のひとつです。

※PMO: 「Project Management Office(プロジェクトマネジメントオフィス)」の略。組織内における個々のプロジェクトマネジメントの支援を横断的に行う部門や構造システムを指す。

山口 前の職場では、VBAやAccess好きの同僚とシステムを作ったり、デジタルを用いた業務効率化を図ったり、有志を募ってExcel関連の勉強会を開催したりするなどIT業務に携わっていたのですが、データベースなどの実作業はやはりベンダーの業務SEさんにお願いすることが大半で、自分たちで完全解決できることは多くありませんでした。そこで、所属していた企画課の中に民間SE出身者を雇用してIT専属セクションを立ち上げたのですが、自分は専属部門ではなく、課の統括を担う立場として残り、現場での業務を直接担当することは叶いませんでした。責任のある立場に据えていただいたことはもちろん感謝しているのですが、自分としては「プレーヤーとして現場でITに関わりたい」という気持ちが強かったので、転職活動の際には、IT分野で行政の支援を行う仕事を探しており、その過程でテクノプロ・IT社に出会いました。
 面接の際、立ち上がったばかりの公共ソリューション事業部が目指す姿に関する話を聞き、「有識者のメンバーが公共団体のユーザーに寄り添って技術的な支援を提供する」というビジョンが自分の思い描いていたイメージと非常に近いと感じ、入社することを決めました。

チームメンバーがそれぞれの得意分野で互いをサポート

実際にテクノプロ・IT社に入社されて、どのような感想をお持ちになりましたか。

古泉 前職の現場で技術者派遣の会社から配属されていたエンジニアとも接していましたが、そういった方々はあまり自社に対して帰属意識を持たない印象があったので、入社するまではテクノプロ・IT社に対しても似たようなイメージを持っていましたが、実際に中に入ってみると想像以上に社員同士のまとまりがあると感じましたね。同じ配属先のチームはもちろんですが、別の現場で働く社員との横のつながりもありますし、会社側でも積極的に交流する機会を作ってくれています。
 私自身、チームの仲間と積極的に連絡を取り合うことも多いですし、前にいた会社が30年前に「これから伸びていくぞ!」というステージにあった頃のような、将来に向けて成長していこうという雰囲気があるような気がします。ですから、今後、自分の専門性を活かしてしっかりと利益を上げることに貢献し、会社の成長を実現したいと思っています。

山口 私はこれまで業務SEとしての経験がなく、入社後3か月ほどはおそらく苦労するだろうと予測はしていたのですが、想像以上に大変だったというのが正直な感想ですね……。
 入社後は固定資産税のシステムに関する運用・保守を担当することになったのですが、役所の窓口経験がなかったこともあり、ユーザーである自治体職員が実際にシステムを利用する際に関係する税制の詳細やシステムに使用されているパッケージ機能、データベースに使用されているSQL言語など、業務に不可欠な知識がまったく足りていませんでした。まさに「何が分からないかが分からない」といった状態で、一緒にお客さまを担当していた先輩SEに同じような質問を繰り返して困らせてしまっていたのですが、しばらくしてその先輩が退職することが決まり、自分ひとりでお客さまを担当することになりました。自分1人で業務を担当する1か月前になっても思うように業務を進められず、どうしたらよいのか分からない中で途方に暮れている状態に陥っていました。

入社間もない時期に大変な思いをされていたんですね……。その後、どのように対処されたのでしょうか。

山口 自分の置かれた状況のつらさももちろんありましたが、何よりもお客さまにご迷惑をおかけすることになってはいけないと思い、まず事業部の責任者に状況を伝えて相談しました。すると、すぐにマネージャーや古泉さん、営業担当などの関係者に声をかけて私をフォローする体制を整えてくれました。
 その後は、SQLの理解が進まず悩んでいた私の様子を見たエンジニア出身の営業の方が、原因は基礎知識不足だと見抜いて「分かりやすいYouTube動画があるから見てみたら?」と解決の糸口を与えてくれたり、グループ会社が運営する「Winスクール」で研修を受講させていただいたり、さまざまな形でサポートしていただきました。古泉さんからも頻繁に電話をいただき、色々と話をする時間を作ってくれて、自分の気持ちを落ち着ける上で大変ありがたかったですね。
 そういったチームの皆さんからのフォローのおかげもあって徐々に仕事をこなすことができるようになり、現在は1人で5つの公共団体向けの保守業務を担当しています。ようやく業務SEとしての第一歩を踏み出すことができたという気持ちはありますが、ここで気を抜かずに無事に仕事を進めたいと思います。

古泉 SE経験のない方が若い頃から経験を積んでいるエンジニアにスキル面で追い付くことは容易にできることではありませんから、山口さんにはこれからも遠慮なくチームのメンバーを頼ってほしいですね。もちろんスキルを磨く努力は必要ですが、SEは1人でやる仕事ではなく、自分の得意分野でお互いに助け合い、チームとして力を発揮するものですから。
 その観点から考えると、山口さんのように公共団体側から転じて業務SEになる人は大変珍しく、私は前職時代も含めてほとんど思い当たりませんので本当に得難い人材だと思います。国や地方自治体の制度変更に関する情報への感度などは「さすがだな」と思いますし、これからさらに活躍してほしいですね。

多様なバックグラウンドの人材が活躍する組織へ

最後に、これからの目標などがありましたら教えてください。

山口 先ほど申し上げたとおり業務SEとして自分の実力不足を痛感しましたので、まずはもっと現場で活躍できるよう自分のスキルをさらに上げていきたいですね。いまの環境は周りにスペシャリストの方ばかりで学べることが多いですし、スクール学習や資格取得への支援制度も充実していますので、自分自身のスキルアップという意味でもやりがいを感じています。
 また、組織や事業を進めるうえでは多様性が大事であり、「スーパーマンばかり集めてもいい結果は出せない」と思っています。古泉さんが触れてくれたように自分の強みは行政の側をよく知っていることですので、国や地方の制度変更に関する情報をいち早くキャッチしたり、複雑で分かりにくい国の大量の資料からポイントを抜き出し、概要をまとめてチームに共有したりといった形で、自分なりの専門性を活かした貢献をしていきたいと考えています。
 自分がかつて内部にいたので分かりますが、行政の現場では市民の方から感謝されることはあまり多くありません。そういった中でも頑張って仕事に向き合っている職員のみなさんをITでサポートし、民間の立場から応援していきたいですね。

古泉 私も山口さんと同様に人材の多様性が非常に大事だと考えています。自分の得意分野は財務会計領域で、そういった知識やノウハウを、自分とは違う分野の有識者が持つ知見と組み合わせることで新たな価値を生み出していくことが、これからますます大切になってくるのではないでしょうか。
 SEだけが集まっていると、いくら技術力が高くても似たような視点しか持てず、視野が狭くなってしまいます。そういった意味でも、山口さんのようにいろいろなバックグラウンドを持つ人材が数多く集まってほしいですし、その中でメンバーが積極的にコミュニケーションを取り、互いの経験や知識を伝え合うことでチームの力を伸ばして、会社の成長につなげていければと思っています。

―山口さん、古泉さん、ありがとうございました。

合わせて読みたい

社員インタビュー 一覧へ