社員インタビュー

開発プロジェクトに携わるエンジニアにこそ問われる「伝える力」

テクノプロ・IT社岡山支店 技術部 チームリーダー 加藤宏幸さん
株式会社テクノプロ テクノプロ・IT社(以下「テクノプロ・IT社」)の岡山支店で、お客さまと開発チームを結ぶブリッジエンジニアとして活躍する加藤宏幸さん。行政向けシステムの標準化対応プロジェクトの獲得や同プロジェクトの受注規模の大幅な拡大を実現し、テクノプロ・IT社の2023年度優秀賞を受賞された加藤さんに、エンジニアとしての経歴や自身の強みであるコミュニケーション力などについてお話を伺いました。

「地元の岡山を離れたくない」とテクノプロ・IT社へ

――本日はインタビューのお時間をいただきありがとうございます。加藤さんは3年ほど前にテクノプロ・IT社に入社されたそうですが、まずこれまでのご経歴や、入社に至る経緯などをお聞かせいただけますか。

加藤 私はもともと新卒でIT系の会社に入社したのですが、1年ほど業務に従事した時期に地元で公共や医療の分野でシェアの高いシステム開発会社に派遣されて、行政向けパッケージ製品の導入や開発支援などに20年ほど携わっていたんです。その後、仕事の区切りがついたタイミングで「自社製品のある会社で経験を積んでみたい」と考えて別の企業に転職し、自動車関連や一般の会計システムといった製品のプログラミングなどを手掛けていたのですが、3~4年ほど経った頃に開発拠点を岡山から大阪に移すことになり、私たちも大阪に行くよう指示が出ました。ですが、生まれてからずっと暮らしていた岡山を離れたくなかったこともあり、地元で働ける企業を探した結果、最終的にテクノプロ・IT社に入社することにしました。

――転職の際にはほかの企業も検討されたと思いますが、テクノプロ・IT社を選んだ理由は何でしょうか。

加藤 過去に自分がいた会社は、私が派遣されていた企業からスピンアウトした方が立ち上げた会社で、取引はその派遣先が唯一と言っていいくらいでした。もちろんプロジェクトがある限りは問題ないのですが、リーマンショックの頃にIT業界のあちこちでプロジェクトが終了し、周囲でも仕事がなくなってしまうエンジニアの様子を見ていましたので、ひとつの取引先だけに依存している会社では将来的にリスクがあるのではないかと思っていたんです。その点、テクノプロ・IT社は岡山支店だけでも現在の配属先企業以外に多数の企業のプロジェクトを手掛けていますし、さらには地場の仕事だけではなく全国の拠点が連携して大きな開発案件を請け負うなど、ビジネスの安定性が高いように感じました。

 また、これは偶然なのですが、入社を検討していた時期に、先ほどお話しした、私が20年携わった行政向けパッケージ製品の標準化対応プロジェクトをテクノプロ・IT社が獲得に行くタイミングだったのです。提案先も私が過去に常駐していた企業だったので、「それなら、これまでの自分の経験がフル活用できるな」と考えたこともきっかけのひとつでした。

――以前長らく仕事をしていた企業の案件に別の企業に所属して再び関わる、というのも不思議なめぐり合わせのように思いますが、実際にどんな気持ちでしたか。

加藤 そもそも、提案の時に面談した相手の方が旧知の担当者でしたから、「あれ、加藤さんじゃないの。あなたが担当? それなら任せても大丈夫だね」という感じで、違う企業の社員として話をしに行っている気がしませんでしたね(笑)。結果的にプロジェクトを任せていただくことはできましたが、それもテクノプロ・IT社に提案先の会社との長期的な取引実績があり、また岡山支店だけではなく他の拠点も連携して開発に対応できる体制を組んでいたことが受注の大前提なので、私としては「少しは後押しになったかな」くらいの感覚ではあるのですが。

――テクノプロ・IT社がその企業との取引実績があったということは、かつてお勤めの会社にいた頃にもテクノプロのエンジニアと接する機会があったということですよね。会社の外から見た時と、実際に入ってみた後について、加藤さんの目から見たテクノプロ・IT社の印象を教えていただけませんか。

加藤 実は私が以前の会社にいた頃は、テクノプロ・IT社の方と仕事上で直接やりとりをすることはそれほど多くありませんでしたが、それでも「しっかりとした会社だな」と思ったことは覚えています。当時は労務管理などをきちんとしている会社ばかりではなく、「残業なんて当たり前」といった状態で私自身もけっこう厳しい業務量をこなしていたのですが、テクノプロ・IT社はエンジニアの就業時間も細かく管理しているようでしたし、自社メンバーの残業時間が多い時などには配属先に対して業務量調整の申し入れをしている様子も見ていましたので、そこは感心して見ていましたね。

 実際に入社してからは、そういった管理面はもちろんですが、拠点のみなさんが非常に積極的にフォローしてくれることがありがたいと感じています。今のプロジェクトで困ったことが起きても支店長をはじめメンバーがすぐにサポートをしてくれる体制なので本当に助かっていますし、今回の優秀賞を獲得できたのも、支店のみなさんや、連携して業務に対応してくれている広島支店・熊本支店・システムソリューション事業部などの方々の力があってこその結果です。

コミュニケーション力の基礎は「バドミントン指導」!?

――とはいえ、長期にわたる開発プロジェクトを担当し、大きな売上・利益を挙げてチーム規模の拡大も実現するという結果を残せたのは加藤さんの力によるところも大きいと思います。仕事をする上で気を付けていることや、成果を挙げるために意識していることなどはあるのでしょうか。

加藤 ひとつ挙げられるとしたら、お客さまとテクノプロ・IT社のチームをつなぐブリッジSEとして、コミュニケーションを大切にしていることはあるかもしれません。

 エンジニアの中には、つい難解な専門用語で話をしてしまうなど、「相手に分かりやすく伝える」ということにあまり注意を払わない方もいます。ですが、私自身は難しい言葉を使って話したくないという気持ちが強いので、「どうすれば相手に分かりやすく伝わるか」ということは常に心がけていますね。

 また、プロジェクトを進める中でエラーやトラブルが発生することは避けられませんが、そういった時にも事態が大きくならないようにお客さまと自社の間に立ってフォローを入れたり、お客さまの話やドキュメントから問題の原因を読み解き、製品の品質を上げるための社内向け仕様書を作成したりといった形でプロジェクトがスムーズに進行するように動いているつもりです。

 自分1人だけの派遣単価を上げていくだけでは会社の成長スピードが上がりませんので、広い視野を持ってコミュニケーションを密にし、チームの力で規模の大きなプロジェクトを獲得して成功させていくことが今後のテクノプロ・IT社の発展に必要だと考えていますし、自分もその一助になりたいと考えています。

――そういった、プロジェクトを円滑に進めるためのスキルはどのようにして身に付けられたのでしょうか。

加藤 前職の、自社製品を持っている会社での仕事に従事していた時に、外部のパートナーさんなどのベンダーコントロールの業務を担当し、開発作業をお願いしたり問い合わせを受けたりといったことは行っていました。また、さらにさかのぼって言えば、過去に関わったパッケージ製品の導入プロジェクトなどで調整役としての仕事を任せてもらったのがきっかけだったと思います。

 ずっとIT業界にいますので、自分の手を動かして開発することはもちろん好きなのですが、テクノロジーの発展のスピードを考えると、年齢を重ねてからも新たな技術の進化に追従し続けることは簡単なことではありません。30代半ば頃に将来のキャリアを考えた時に、プロジェクトマネジメント的な役割を果たせるようになっておいた方がよいと思い始めていたのですが、タイミングよくその種の業務について声がかかり、引き受けることにしました。もともとコミュニケーションについては苦ではありませんでしたし、実際にそういった仕事に携わってみると、自分で作業を抱えてしまうのではなくプロジェクト全体を見渡して、できる人に任せるという形は性に合っていたように思います。

――人とのコミュニケーションは昔から得意だったんでしょうか?

加藤 直接関係するかは分かりませんが、学生時代から続けていたバドミントンを小中学生に指導していたので、そういった経験を通じて人と話すことが苦にならなくなったかもしれません。最近は週に1回、中学生に指導する程度ですが、指導活動自体は高校生の頃からなので社会人歴より長いくらいです。

 仕事をするときはコミュニケーションでは専門用語も使えますし、素直な子もいればやんちゃな子もいる小中学生の指導より、むしろやりやすいと言ってもいいかもしれません(笑)。

――エンジニアの中には「コミュニケーションが苦手」という人もいると思いますが、そういった方に加藤さんから何かアドバイスはありますか。

加藤 開発に携わるエンジニアとしてお客さま先で仕事をするにあたって、コミュニケーションができることは絶対に欠かせません。普段からある程度、周囲とやりとりをしていれば、もし何か問題があった時にも誰かがフォローしてくれますが、黙っていると1人で抱え込んでしまうことになり、その結果、大きなトラブルに発展しかねませんので、コミュニケーションも仕事のひとつと考えてほしいですね。

 コミュニケーションが得意ではない人は「何を話せばいいか分からない」と悩むかもしれませんが、人との対話は一方通行ではないので、「自分から話さなきゃ」という気持ちに縛られずに「相手の聞き役に徹する」ということから始めてみるのもいいかもしれません。

 相手の話を聞いて、聞いた話について少し質問してみる。仕事上のことだけではなく、世間話でも構わないと思いますし、スポーツのことでも、お子さんのことでも、なんでも良いので話かけて聞いてみると、こちらがあまり話さなくても相手が勝手に話を続けてくれることも結構あります(笑)。そういった形で少しずつでも対話をしていけば向こうから話しかけてくれるようになるでしょうし、仕事上でもコミュニケーションが取りやすくなると思いますよ。

―― 加藤さん、本日は貴重なお話をありがとうございました。

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