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検索結果はどう中立であるべきか? Googleが検索アルゴリズムを変更、ヘイトサイトを一部排除

2017/1/11

Googleが検索アルゴリズムを変更、ヘイトサイトを一部排除

つい先日まで、英語で「ホロコーストはあったのか?」とGoogle検索すると、トップに出てくるのはネオナチ、白人至上主義のフォーラムであり「世界初の大手ヘイトサイト」と称されるStormfront.orgへのリンクでした。しかし、最近になってこれが幅広く報道されたせいか、Googleはこの結果や、その他の嘘情報の結果を修正しはじめたのです。

報道が始まった当初、GoogleはFortuneに対し、「ヘイト組織が未だに存在するのは残念です」としながらも、「違法コンテンツやマルウェア、我々のウェブマスターガイドラインに抵触するサイトなどの限られた例外をのぞいて、コンテンツを検索結果から削除はしません」と明言しました。もちろん、「ヘイトサイトが結果に出るからといって、Googleがそういった意見を支持するということではありません」としっかりフォローも入れましたが。

フォーラムのリンク先は「ホロコーストが無かった理由トップ10」というトピックで、投稿主は「しっかり議論できるように」ホロコーストが起きなかった理由を他のユーザーから募集していました。彼らの出した答えといえば、「大量の死体は見つかっていない」とか「アウシュビッツにアメリカの諜報機関が注目していたのは、合成ゴムの工場だから。しかし、どの報告書にもガスによる処刑や大量殺戮の記録はない」といったものです。一応言っておくと、もちろんです。ホロコーストはあったのです。

修正を加えないことの弊害とは

Facebookの問題にも見られるようにガセニュースがオンラインに蔓延る昨今、Googleがこういった検索結果に修正を加えようとしないのは安心できることではありませんが、予想できることではあります。Googleの歴史を綴ったスティーブン・レヴィ氏の著書、『In the Plex』には、2004年にGoogleの共同創業者セルゲイ・ブリンが同じ問題に悩んでいたことが語られています。彼は検索結果を変えることを「テクノロジーの悪習」と呼んでいました。

しかし、知識のない人間が答えを求めてGoogleに頼った結果、陰謀論飛び交うフォーラムに呼び寄せられたらどうなってしまうのでしょう?

video: Interview with google’s founder Sergey Brin (Yair Lapid) / XXX XXX

2008年、セルゲイ・ブリンはイスラエルの政治家であるYair Lapid氏のインタビューにて、「Jew(訳注: ユダヤ教徒の蔑称)」と検索すると出てきた反ユダヤ主義のサイト「Jew Watch」について尋ねられました。

私たちの重要な企業理念の一つは、検索結果を変えないことです」とブリンは語ります。「私たち自身が納得できなくても、アルゴリズムが作り出したものが検索結果なのです。ユーザーは私たちの検索結果にバイアスがかかっていないことを望んでいると思います」

Googleは人々が情報を得るための手段ですが、彼らには正しい情報を提供する責任がないのでしょうか? 「ホロコーストがあったのか?」や「Jew」の検索結果は変えたがらなくても、2015年にWall Street Journalが公開した連邦取引委員会(FTC)の調査の結果によれば、Googleは「例えユーザーにとって最も有益でなくても、自分たちのサービスが競合相手より優先されるように検索結果を操作した」と判断されたそうです。

FTCの報告書はGoogleに対して特に法的処置を勧めていませんが、近い将来再び追及を受ける可能性はあります。というのも、2016年の5月にPoliticoが報じたところによれば、FTCはAndroidに関するGoogleの取引に関して、反トラスト法違反の疑いで調査を再開するかもしれないからです。

対応の変化

しかし先日、GoogleのスポークスパーソンがDigital Trendsに対し、「検索に対してどのページが最も正しい答えかを判断するのは実に難しい問題で、私たちが常に正しいとは限りません」と発言し、以前の決定を翻したことを明言しました。

同時に「Googleは、さまざまな情報源を元にした幅広いコンテンツをユーザーに提供し、自由でオープンなウェブの原則の厳守に努めます」とし、検索結果は依然として自動的に整理され、Googleはあくまで「信頼性の低い情報」に関して「アルゴリズムに改良を加えただけ」だと強調しました。これにより「質の高い、信頼性のあるコンテンツの発見の助けになる」とのこと。

現在「ホロコーストはあったのか?」と検索すると、Stormfrontのリンクが完全に消えていることがわかります。

グーグルがついに検索結果からガセ情報を修正2

screenshot: Google

また、「Are Jews evil?(ユダヤ人は邪悪か?)」という質問を始めとして、悪意のある質問を検索すると、Googleの検索結果に関する記事が出て来るようになりました。ちなみに、「イスラム教徒は邪悪か?」と質問すると、イスラム教徒に対するヘイト記事はトップから4番目になっています。まぁ、何事も少しずつ、ということでしょうか。

グーグルがついに検索結果からガセ情報を修正3

screenshot: Google

ただ、「are black people inferior?(黒人は劣等か?)」という質問の答えはいまだに差別的です。

グーグルがついに検索結果からガセ情報を修正4

screenshot: Google

「私たちはこれからもアルゴリズムを変え続け、これらの問題を解決していきます」とはGoogleのスポークスパーソン。自社の利益のためなら検索結果を操作しても平気なようですし、それならヘイトサイトのランキングを落としたっていいんじゃないでしょうか?

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top image: Lucky Team Studio / Shutterstock.com, Gizmodo US / screenshot via Google
source: Fortune, Wall Street Journal, Politico, Digital Trends
参考: SPLC, YouTube

Eve Peyser – Gizmodo US[原文12
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