テクノプロ・グループでは、従来の社内教育だけでは得られない多様な視点や新しい知識を獲得することを目的として、2025年5月22日、23日の2日間にわたり社員が自社の枠を超えて異なる業界や文化、環境で学ぶ「越境学習」を実施しました。
グループ初の試みとなるこの研修には、営業、事務、採用などの業務を担当する幅広い職種から応募した社員21名が参加。埼玉県川越市で開催された、地域問題解決のワークショップでの取り組みを通じて、課題解決のための手法を学びました。
川越の街を調査し、地域問題の特定と解決策の立案に挑む

日本能率協会マネジメントセンター主催、埼玉県川越市で観光地域づくりに取り組む一般社団法人DMO川越協力のもと開催された「共感から始まる、問題解決の実践 デザイン思考を活用した地域問題解決ワークショップ」の越境学習には、北は札幌、南は熊本など全国から集まったテクノプロ・グループ社員21名と、日本能率協会マネジメントセンターからの参加者5名を加えた26名が参加。研修では、江戸時代の情緒を残すことから「小江戸」(こえど)とも呼ばれ観光地として親しまれる川越での街歩きを通して、「観光課題を考える」というテーマに基づき、観光地が抱える地域課題の解決策を検討するワークに取り組みました。


地域課題を見出すことを目的とする1日目は、DMO川越の皆さんから川越市の現状と課題について説明を受けたのち、参加者が5つのチームに分かれて街歩きをしながら地域の方にインタビューを実施。その後はヒアリングによって収集した情報を元に、各チーム内で地域が抱える課題を特定し、その解決に向けた具体策についてのアイデアを出し合いました。
参加者には今回の研修で川越を初めて訪れたメンバーも多く、当初は観光気分で街並みを楽しむ様子も見られましたが、調査が進むにつれ日中の混雑や交通安全の確保、伝統の継承問題など、地域住民が持つ様々な悩みに触れることで徐々に真剣な面持ちに変わっていったことが印象的でした。
翌日の2日目には、前日の議論をふまえた資料の作りこみを経て、各チームからの最終発表となるプレゼンテーションが行われました。中には発表直前まで川越の街を駆け回り、自分たちの立てた仮説の検証を行うチームもあるほどで、全員が熱を入れて準備に取り組んでいました。
そして迎えたプレゼンテーションの場では、後継者不足をAIで解決する提案や、川越の歴史を謎解きゲームで観光客に伝えていく提案など、どのチームも短時間にも関わらずテーマに対して懸命に取り組んだ様子がうかがえる内容の濃いプレゼンを披露。その後、全チームに対して講師からのフィードバックと、最終的な採点が伝えられました。最終的に、メンバーの幼少期の川越での体験を交えつつ伝統文化の継承に関する課題とその解決策について発表したチームが400満点中、320点を獲得して見事1位を獲得。
結果はそれぞれでしたが、ワークショップで協力しあった各チームのメンバーは互いの努力をねぎらいつつ、2日間にわたる研修を終えて充実した表情で帰路につきました。


研修で学んだ手法を活用して自分ならではのアイデアを提案していきたい
テクノプロ・グループでは、人的資本経営の強化に伴い、その中核となる従業員の自律的成長を促すための施策を推進しています。急速に進化する市場環境やテクノロジー、また多様化するクライアントニーズに対応すべく、自分の「ホーム」(慣れ親しんだ環境)を離れ、「アウェイ」(新しい環境)で学び、多くの気付きを得ることを目的として越境学習を導入しました。この2日間の研修を経験してどのように感じたのかについて、今回優勝したチームのメンバーの1人、テクノプロ・ホールディングス株式会社の宮脇愛果さんに感想を伺いました。
――今回の研修に参加したきっかけは何ですか。
宮脇 一番の動機は、異なる部門や職種の方と協働し、チームワークを発揮しながら学べる貴重な機会だと感じたことです。多様なバックグラウンドを持つメンバーと意見を交わしながら課題に取り組むことで、自分にはない、新しい発想を得られるのではないかと考えました。また、研修を通じて、グループ会社の垣根を越えて社内ネットワークを広げ、様々な仲間との関係性を構築できればと思いました。

――研修を通じて具体的に学んだことや感想を教えてください。
宮脇 観光施策に取り組む立場として分析やヒアリングを行うことで、今まで知らなかった地域の魅力や課題に触れることができ、川越市への印象ががらりと変わりました。
また、課題解決策の立案にあたり「プロトタイピング(試作・検証・改善を繰り返してアイデアを具体的な形にするプロセス)」を実践し、ユーザーのニーズに基づいた効果的なアウトプットを行うための手法を学ぶことができたと思います。アイデアや施策をゼロから立案するのは想像以上に難しいものでしたが、手順に沿って思考することで、足元に落ちているヒントやピースを少しずつ集めていくことができた――そんな感覚を持ちました。
――今回の得たものを今後どのように活かしていきたいですか。
宮脇 この越境学習で地域課題の解決に取り組んだ経験を通じて、リアルな現場の声を聞き、本質的な課題を見極め、具体的な解決策を考える実践的な力を養うことができたと思います。今後の業務の中で感じた課題に対し、研修で学んだ手法を活用して積極的にアイデアを提案し、私ならではの色を出していきたいと考えています。
テクノプロ・グループでは、不確実な時代を切り開く力を養うことはもちろん、従業員の主体性や創造性を養うことで組織全体の競争力を高めることを目指し、今後も様々な成長の機会をグループ内で提供していきます。

今回の研修を経て、成長した参加者の皆さんの今後の活躍を期待しています。