
2024年12月13日(金)、14日(土)、15日(日)の3日間にわたり、テクノプロ・グループが協働パートナーとしてサポートする国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)主催『第12回科学の甲子園ジュニア全国大会』が開催されました。

科学の甲子園ジュニアは、理科、数学等における複数分野の競技に協働して取り組むことを通じて、全国の中学生が科学の楽しさ、面白さを知り、科学と実生活・実社会との関連に気づき、科学を学ぶことの意義を実感できる場を提供することによって、科学好きの裾野を広げるとともに、未知の分野に挑戦する探究心や創造性に優れた人材を育成することを目的としています。
姫路市文化コンベンションセンター アクリエひめじの会場で開催された今回の全国大会には、全国47都道府県の代表選考で選抜された、中学1年生と2年生で構成される1チーム6名の47チームが出場し、「筆記競技」と「実技競技」で成果を競い合いました。
競技①「二つのフロンティア~海から宇宙へ~」
最初の競技では、「二つのフロンティア~海から宇宙へ~」をテーマに、地学分野の課題にチャレンジ。
1つ目の課題「海の中にも波がある」では、「内部波」と呼ばれる現象を再現・観察します。
参加者は、食塩水と真水を用いて水槽内に密度成層を作り境界面に内部波を発生させたうえで、その波長や位相速度を測定。水層の作成を順調に進めることができたものの、その後の波の発生やタブレットでの撮影に苦戦するチームもあり、いかにして作業を上手く分担し、正確に測定できるかが求められる課題となりました。
2つ目の課題は、天体望遠鏡を製作し、会場内の惑星画像を観察する「惑星旅行:私たちはどこにいる?」。
この競技は、観測地点が地球ではなく、太陽系惑星の衛星軌道上にある宇宙ステーションという設定だったことが大きな特徴です。地球外の視点から惑星の見え方や日食の条件を考察するという、太陽系の配置を宇宙規模で捉えるスケールの大きな想像力が必要とされるこの課題。各チームとも、頭脳をフル回転させながら一生懸命に取り組む姿が印象的でした。
また、この課題では、天体望遠鏡の製作過程を通じて基本的な仕組みを学ぶことができるだけではなく、完成品は記念品として持ち帰ってOKという嬉しい特典もありました。競技を終えた選手たちは、大喜びで天体望遠鏡を手にしながら会場を後にしました。


競技②「スロープ・バンプ・ジャンプ!」
この競技では、斜面を下る台車がストッパーにぶつかる勢いを利用し、搭載した飛行物体の飛距離を競います。
各チームは事前に送付された競技資料と物品を基に、規定内の材料を選んで台車(最大2台)と飛行物体(最大5個)を製作。会場で行われていたインタビューでは、投石型から安定性の高い弓矢型へ変更したという愛媛県チームや、バネの弾性を利用した台車と飛行機型の飛行物体を考案した島根県チームが紹介されるなど、各チームとも飛距離と直進性を高める工夫を重ね、本番に挑みました。
競技は90分の製作・試行の後、各チーム5回のチャレンジを実施。「ベスト部門」(最高飛距離)と「アベレージ部門」(上位4回の平均飛距離)で順位を競いました。見事な結果を残したのは埼玉県・東京都・宮崎県・沖縄県の4チームで、いずれもフィールド終端のフェンスをノーバウンドで超える記録を達成。その一方で想定通りの飛距離を出せず苦戦するチームもあり、試行の成果を本番で再現する難しさが浮き彫りに。それでも、各チームが独創的なアイデアで競い合った競技は、最後まで見応えのある展開となりました。


全国大会の結果
総合順位(筆記競技・実技競技の総合得点)
1位 茨城県チーム(茨城県立日立第一高等学校附属中学校、茨城県立並木中等教育学校)
2位 千葉県チーム(市川学園市川中学校)
3位 東京都チーム(東京都立小石川中等教育学校、渋谷教育学園渋谷中学校)
4位 愛媛県チーム(愛光中学校)
5位 埼玉県チーム(埼玉県立伊奈学園中学校、川口市立高等学校附属中学校)
各競技の順位
筆記競技 1位:千葉県チーム 2位:茨城県チーム
実技競技① 1位:茨城県チーム 2位:愛媛県チーム
実技競技② 1位:埼玉県チーム 2位:東京都チーム
企業特別賞「テクノプロ賞」
今大会の実技競技①で優れた実験技術を発揮したチームに贈られる企業特別賞「テクノプロ賞」には、山形県チームが選ばれました。

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■お問い合わせ
「科学の甲子園ジュニア」についてのお問い合わせは下記までお願いします。
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 理数学習推進部 才能育成グループ
TEL:048-226-5665 E-mail:koushien-jr@jst.gp.jp