テクノプロ・グループが中期経営計画『Evolution 2026』における目標として掲げる「ソリューション事業の拡大」を目指し、株式会社テクノプロ テクノプロ・デザイン社(以下「デザイン社」)内の組織として約2年前に立ち上がったマーケティング企画課に所属する渡部朱子(わたべあかね)さん。社内公募制度を利用し、技術者からマーケティング部門に活躍の場を移した渡部さんに、異動を志願した理由と現在の業務内容などについて伺いました。
「人生1度きり!」の精神で新たなポジションに挑戦
2023年8月に、テクノプロ・グループの女性取締役と女性従業員が対話する座談会を開催しましたが、その質疑応答のセッションで渡部さんが取締役に質問されていた姿が印象に残っています。その際に、社内の公募に応募して技術者からマーケティング部門に異動されたというお話をされていましたが、そのように大きな決断をされた理由は何だったのでしょうか。
渡部 もともと私は、前職の会社で一緒に働いていたデザイン社の方から紹介されてテクノプロ・グループに入社し、技術者―グループでは「技術社員」という呼び方をしますが―として化学関係の業務に従事していました。お客さま先に常駐している技術社員にはありがちな話かもしれませんが、派遣先で仕事をしているとお客さまに近い立場で物事を考えることが多くなり、自社グループの経営方針や事業計画は自分にあまり関係のない話に聞こえていたというのが、その頃の偽らざる気持ちです。
しかし、ある時に担当業務でチームリーダーになる提案をいただき、引き受けることに決めたのですが、事業計画や会社の方針などをチームのメンバーに伝える立場になってみると、「なぜこの事業計画なのか」「どうしてこの目標なのか」といったことを深く知りたいという、それまでとは異なる気持ちが芽生えてきたんです。そんな折に、デザイン社のマーケティング企画課から「デジタルマーケティングで営業スタイル変革を目指すインサイドセールスを募集」という社内公募を目にして、「これは……!」と興味を持って詳しく調べていくうちに、「このポジションなら経営により近い立場で会社の成長に寄与できるかもしれない」と考えるようになりました。ずっと技術畑で生きてきた私にとって全く未知の職種でしたが、ちょうど3人の子育ても落ち着いてきたタイミングでもあり、「人生1度きり!」という気持ちで思い切って新しい環境に飛び込み、会社の目標に向かって挑戦してみようと応募しました。
現在、従事されているインサイドセールスとは、どういった仕事なのでしょうか。
渡部 ソリューション事業を推進するために、デザイン社が出展・開催する展示会やセミナーに参加されたお客さまを電話やメールでフォローアップして困りごとや要望を伺い、その課題を解決できそうな部署の営業担当にお客さまを引き継ぐのが主な仕事です。製品を販売する仕事と違って、お客さまが抱える課題の本質を突き止めたうえで、どんなサービスが最適かを考えなければいけませんので、技術的な知識だけではなく、経験に基づいた仮説構築や発想の転換なども必要になってきます。時にはお客さま自身が問題そのものを把握しきれておらず、明確に言語化できないケースもあります。伺ったお話をもとにどうすればデザイン社で対応できるのかを考えるのが難しくて苦心することもありますが、そういった難しい案件へのチャレンジは、一方でこの仕事のやりがいでもあります。現在はマーケティング企画課のメンバーと議論して、企画の段階から一緒に取り組んでいるので、業務範囲は多岐に渡ります。
今までの職種とは全く違う分野への挑戦でしたが、実際に業務を担当されていかがでしたか。
渡部 この仕事に就くまで、営業経験も、本社での管理業務の経験もなかったので覚えることが多く、周りについていくのが精いっぱいでした。特に初めの1ヵ月は、お客さまにお電話をしてもうまくヒアリングできず、落ち込む夢を毎晩のように見ることもありました。しかしすでにインサイドセールスの型化はできていましたので、前例を参考にしながら少しずつ業務を理解していきました。また、在宅勤務でも綿密にコミュニケーションを取れる環境だったのが救いだったと思います。
先ほども少しお話ししましたが、今挑戦している業務は、技術者が培ってきたノウハウとマーケティング企画を結びつけ、顧客のニーズに合わせてソリューションを提供することです。マーケティング企画課だけではなく、新しいソリューションを作り出すエンジニア、それを広く展開するプリセールスと営業、日々お客さまから直接ご意見をいただく営業拠点の皆さんとの連携が重要になります。各所との調整は時に難しく手探りになることもありますが、細やかなコミュニケーションを大切に進めるようにしています。
仕事の意義を理解し変化を前向きにとらえることがモチベーションの源泉
お話を聞くと、新しい環境で苦労もされていることもあるようですが、これまでどのようにして乗り越えられてきたのか教えてください。
渡部 そうですね……。これまでの経験から自分の限界値をきちんと把握し、体力・気力ともに無理せずに過ごすことができるようになったことでしょうか。自分のキャパシティは分かっていますので、「限界が近くなったな……」と思ったら自宅で飼っている猫に癒されたり、大好きなお酒で発散したりしています(笑)。
またこんなにたくさんの方々と連携して仕事をすることがなかったので、毎日がとても刺激的です。持ち前のポジティブさで、この状況を楽しみたいと思うことができました。
もう少し真面目にお答えすると、モチベーションの源泉は自分の仕事が持つ意義を深く理解することかもしれません。インサイドセールスの使命は、お客さまの課題や悩みをいち早く見つけ出し、周りを巻き込んでそれを解決に導くことであり、非常に意義がある仕事だと感じています。もちろん全ての物事を解決できるわけではありませんが、私の業務が世の中のニーズを知り、新たな解決策を自社が生み出す契機になると思うと、やりがいを感じます。
また、この部署にいることで、私が技術社員時代に疑問を抱いていた会社の目標や方針、さらには、なぜそれらが掲げられているのかについて理解が進んできたように思いますが、その点も仕事を頑張れる要因のひとつになっています。今まで働いてきた会社は、「変化に動じず安定をよしとする」ところがあったのですが、デザイン社では自分が「変わりたい」と感じた時に、その変化を前向きに捉える社風があり、それが励みになっていますね。主体性・向上心のある人材を評価して、経験がゼロでも挑戦する機会を与えてくれますし、多少大変なことがあっても前向きに考えさせてくれるのも、この会社ならではの特長だと感じています。変革をし続けるこの会社で仕事ができることがとても楽しいですし、目標を達成するために会社と共に頑張れることが幸せです。
いずれはお客さまに自分で提案できる、会社に有意義な存在に
最後に、渡部さんの今後の目標を教えてください。
まずは目の前の目標数値を達成することにコミットしたいと思っています。ですが、ただ単に数字を出すだけで良いとは思っていません。技術社員時代も、お客さまの課題に対してさまざまな解決策を考え、提案することが何よりも楽しいと感じていましたので、いずれはお客さまのお悩みや、課題の解決に直接関わる仕事ができるようになること、そして会社にとって有意義な存在になることもこの先の目標です。
デザイン社のデジタルマーケティングの展望としては、デジタル化によって、自社が持つ技術力を、必要としているお客さまに対して効率的に届けられるような仕組みを創ることです。そのために、顧客のニーズをしっかり理解・把握し、それを社内にフィードバックして活用してもらう役目をしっかりと果たせるよう、これからも取り組んで行きたいと考えています。
渡部さん、今度はぜひ一緒にお酒を飲みながらお話の続きを聞かせてください(笑)。
お忙しい中、お時間を頂戴し、ありがとうございました。
※部署名、役職名等は取材日時点