社員インタビュー

コンサルティングとマネジメントの二刀流で活躍する女性エンジニア ―仲間の喜ぶ姿を見ることが新たなやりがいに―

株式会社テクノプロ テクノプロ・エンジニアリング社 
大阪支店 稲田 由紀さん
 

株式会社テクノプロ テクノプロ・エンジニアリング社(以下「テクノプロ・エンジニアリング社」)大阪支店で活躍されている稲田さん。大手コンサルティング企業のお客さまの元でコンサルタントとして業務に従事するだけでなく、9年前からは大阪支店の技術者をまとめるマネージャー職に就き、支店業務にも深く携わっています。そんな稲田さんに、普段の仕事を通じて感じていることや、ちょっと意外なリフレッシュ方法など、さまざまなお話を伺いました。

――まず、稲田さんの経歴と現在の業務内容を教えていただけますか。

稲田 私は学生時代に食品化学を学んでいましたが、卒業後の進路としてその分野で研究職を志す人はあまりいませんでした。周りにはSE(システムエンジニア)の道に進んだ先輩が多くいた環境だったせいか、私も先輩から「絶対に向いているから!」とSEになることを勧められ、卒業後は銀行系列等のシステム開発会社で開発の仕事を経験しました。実際にエンジニアとしての仕事に携わってみると、非常に楽しくて「本当に向いているし、この仕事が好き!」と思えましたね(笑)。

これらの経験の後、2006年にテクノプロ・エンジニアリング社に入社しました。

当社に入社後は、請負のプロジェクトに開発担当として関わったのち、大手コンサルティング企業に配属されて、現在まで20年近く同じ職場で仕事をしています。大変尊敬するお客さまから学ばせていただき、そのプロジェクトの末端に参加させていただくことは、とてもやりがいのある仕事だと感じています。

――20年近く同じ就業先で活躍されているということは、お客さまからも相当に信頼が厚いということでしょうね。稲田さんは配属先での活躍だけにとどまらず、さらに大阪支店でも管理職として業務を担われているそうですが、支店での役割についても教えてください。

稲田 大阪支店では、6年ほど前から技術マネージャーの職務を担当し、現在は4人いるチーフマネージャーのうちの1人として管理業務に従事しています。
現在のポジションに就いて3年経ちますが、支店のマネジメントにおいて第一に求められる支店の業績向上に向けて、日々試行錯誤を重ねながら、さまざまな施策に取り組んでいます。ただ、ひとことに「業績向上」といっても、支店の売上に直結する金銭の部分だけを考えればいいというものではないと私は考えています。社員のモチベーションを上げることも結果として支店の利益になるはずですし、そのためには、社員が楽しく元気に、そして幸せに働けるように、みんなの利益を考える必要があります。

大阪支店には、支店長を中心に「全員で幸せになっていこう」という考え方が強く根付いていますので、現状の課題や問題をもとに「技術者採用プロジェクト」、「技術者配属促進プロジェクト」や「技術者育成プロジェクト」といった改善のための自主活動を進めています。

そのほかにも「風土プロジェクト」という、社員同士の交流を強化するための施策にも力を入れており、「風土通信」という季刊誌を作って毎月配布するといった取組みも行っています。さらに、最近は “FUNNECT(ファネクト)”――ファン(楽しむ)とコネクト(つながる)の意味が込められた、大阪支店に所属する全員が一体となって人間関係や横のつながりを深めていくためのプロジェクトが立ち上がりましたし、支店の方針を全メンバーに伝えるといったこともしっかり行っており、大阪支店の雰囲気はとても良いですよ。

――支店の皆さんがとても楽しそうに活動されている様子が目に浮かびます。支店の雰囲気の良さはマネージャーの皆さんの日々の努力による部分も大きいと思いますが、以前から現在のポジションに就くことを希望されていたのでしょうか。

稲田 私がマネージャー職に就いたのは、当時の上司から声をかけていただいたことがきっかけでしたが、それまでに「やってみたい」と思ったことはありませんでした(笑)。それでもせっかく機会をいただいたのだから「とりあえずやってみよう!」という気持ちで引き受けたのですが、実際に社内業務に関わってみると、想像以上に楽しくて……。

それまでは客先業務に関わる方とのやりとりが中心でしたが、マネージャー職になってからは支店業務を通じて社内の人間関係が一気に広がり、私たちマネージャーの取組みによって所属する支店の皆さんが喜んでくれる姿も目にするようになり、「支店に貢献している」というやりがいを実感できるようになりました。活動自体はとても良い刺激になるものですし、管理職に就くことを迷われている方がいましたら、ぜひおすすめしたいと思います。

――テクノプロ・グループでは、女性従業員比率や、女性管理職比率について、目標を設定しています。稲田さんの立場から見て、さらなる女性の活躍のために何が必要だと思われますか。

稲田 大阪支店の女性管理職の人数はまだ多くありませんが、男性・女性を問わず遠慮なく意見を言える雰囲気ですので、「男性だから」「女性だから」という意識はなく、対等に仕事ができているように感じています。

そういった意味で、これまでは「『女性の比率を高める』『女性管理職を増やす』ことは大切ですが、『目標を定めること』そのものには意味があるだろうか」と思っていました。ですが、昨今、女性のエンジニアが増えてきて、さまざまな方が働きやすい職場環境を整えていく必要性がますます高まっていることを考えると、こうした目標があることで施策が打ち出しやすくなると実感しています。

私もマネージャーとして、出産・育児をされている女性がテレワークで働ける案件に優先的に配属されるよう支店内でお話をしたこともありましたが、テレワークで働けるかどうかはお客さまの案件にも左右されますので難しい部分もあります。しかし、こういった目標があることで、女性の側からも自分が働きやすい環境を求めて声を上げやすくなりますし、私たち周囲のメンバーも環境を整えるために動きやすくなると思います。会社としてもそういった声を積極的に受け入れられる体制になるよう、これからも努力していきたいですね。

――女性がリーダーとしての立場で活躍するためにはどのようなスキルを身につけるのがよいでしょうか。

稲田 「女性が」という話とは少し文脈が違うかもしれませんが、マネージャーの仕事をされる方には、私がこれまで経験してきたプロジェクトマネージャーに関する資格学習をお勧めしたいですね。

私自身、プロジェクト管理に関する知識や手法を体系的にまとめたガイドラインである「PMBOK®」や、そのPMBOK®に基づいたプロジェクトマネジメントの国際資格「PMP®」などを学ぶことで、それを知る前と後では物の見方が大きく変わったんです。基本的にはエンジニアリングの分野で知られているものですが、そのほかの領域でも活動の指標になるスキルとして活用できますので、マネジメントに携わる方は本気で取り組んでみると役に立つはずですし、何よりも学ぶこと自体が楽しいと思います。女性の皆さんにとっても、何らかの理由で万が一ネガティブな状況に置かれた場合でも、そういったスキルを身に着けていればきっと大きな武器になるかと思います。今後は私が学んできた解釈や考え方、問題解決方法などついて、できる限り機会を見つけて、若い方へ伝えていきたいです。

――稲田さんは客先業務と支店業務の双方で大活躍されていますが、仕事とプライベートのバランスをとるのは大変ではないでしょうか?

稲田 そうですね。コンサルティングという仕事柄、残業もありますし、派遣先の業務が終わってから支店業務にとりかかるので平日はそれなりに仕事に充てる時間が多いです。

ただ、休む時はしっかり休むようにしています。もう社内でも有名な話になってしまっていますが、月に1度くらいの頻度で、高知県に旅行に行くことが自分の中で最大のリフレッシュ手段になっているんです。

現地に着いたら、特に観光をするでもなく、お気に入りの場所に行って木陰にチェアを置き、ただ本を読んでゆっくりと過ごしています。ふと顔を上げて遠くの山や川、海を眺めると、本当に美しい景色が目に入ってきて、それだけで心から癒されますね。

夜になったら行きつけの居酒屋さんやお寿司屋さんを訪ねて美味しい食事をいただくと、エネルギーが満ち溢れてきますし、本当に高知はすごい場所だと思います!

――そこまでの頻度で高知県に行かれるというのはすごいですね!ほかの場所にはあまり旅行されないのですか?

稲田 長野県にも好きな場所がいくつかありますし、友人との旅行でいろいろな地方を旅することはありますが、疲れを癒してリフレッシュするという意味では高知県に勝る場所はない、と10年ほど前から思うようになりました。最近は高知に行く頻度が多すぎて、友人も一緒に来てくれなくなりましたし、同僚からは「また高知に行っている~」と言われています(笑)。いつか仕事をリタイアした暁には、高知県に月単位や年単位で「住むように滞在する」ことを夢見て、日々の業務のモチベーションに繋げています。

――最後に、女性社員の皆さんへのメッセージをお願いします。

稲田 長い人生の中ではさまざまなライフステージがあり、状況によっては大変な時もあるかもしれませんが、女性社員を含め皆さんには、大変な状況があったとしても会社や仕事との関係は断ち切らずに、少しでも手をつなぎ続けていてほしいですね。人によってさまざまな選択肢があり、どのような選択もその人にとったら大切なものだと思います。ですので、例えば育児などで大変な時は遠慮せずに周りに助けてもらえばいいと思います。会社としても、そういう方をしっかりサポートして手放さなければ、もっと多くの女性が活躍してくれるはずです。

また、これは私自身が「こうありたい」と思っていることですが、自分を他人と比較せず、ありのままで気負わずに、コツコツと目の前のことに取り組んでいくことが大切だと思います。当社に入社をする随分前ですが、私の若い頃は女性が本気で働くことそのものに対して、まだまだ否定的な方が多い時代でした。それでもくじけることなく目の前の仕事に取り組み、自分で勉強をして能力を高めるための努力を続けてきたことで、例えば前職の会社では上司から「女性社員の頑張りのおかげで、この数年で女性が働きやすい環境ができた」と感想を言っていただいたこともありました。皆さんも、周りの意見や環境が思いどおりにならない場合があるかもしれませんが、そんな時こそ自分を信じて、やるべきことに取り組んでほしいと思います。

――稲田さん、本日はありがとうごいました。

合わせて読みたい

社員インタビュー 一覧へ