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音声入力で現場の作業効率アップを実現! テクノプロの音声認識システム『WorkingVoice』

株式会社テクノプロ テクノプロ・IT社(以下「テクノプロ・IT社」 )では、音声入力を活用することで、手書きやキーボード入力の手間や誤記入・誤入力を軽減し、従業員の「手と目」を本来の作業に集中させることを可能にする音声認識システム『WorkingVoice(ワーキングボイス)』を開発・提供しています。
今回は、このWorkingVoiceの開発と販売に携わっているテクノプロ・IT社システムソリューション2課の須田 勇さんに、製品の特長や機能、実際の導入事例などについてお聞きしました。

 

――まず、WorkingVoiceがどのような製品なのかを教えてください。

須田 WorkingVoiceについて簡潔に表現すると、「音声によるデータ入力」と「作業者に対する音声ガイダンス」の機能を持つ音声認識システムです。

製造工場などの現場で数値や報告データなどを記録するためにはPCなどの端末にキーボードでデータを入力する必要がありますが、そのために手を止めて本来の作業を一時中断しなければならず生産性が低下する一因となっています。また、現場によっては紙に書き留めて後でデータとして入力しなおす、というアナログ的な作業フローが残っているところもまだ少なくありません。

テクノプロ・IT社のWorkingVoiceは、これらのデータ記録を音声入力によって行えるようにすることで「ハンズフリー」「アイズフリー」を実現し、作業者の「手と目」を本来の作業に集中させることを可能にするために開発した製品です。

――このWorkingVoiceにはどういった特長があるのでしょうか。

須田 WorkingVoiceは、工場などの現場のニーズを丁寧に拾い上げ、使用者が実際に作業する環境に適した性能を発揮できる点が一番の強みです。

音声を用いてデータ入力を行うシステム自体は、大手ITベンダーの製品も含め複数存在しています。しかし、特定の基幹システムとの組み合わせを前提としておりカスタマイズが難しい、あるいは騒音の大きな工場など厳しい使用環境で性能を発揮できないなど、どのプロダクトにも一長一短があり、業界標準となる製品がないのが実情です。

そういった状況を踏まえ、過酷な環境下でも直感的で無駄のない音声入力を可能にすることを最優先に考えて開発したのが、このWorkingVoiceです。
もともと、テクノプロ・IT社は全国各地でさまざまな分野のIT開発プロジェクトを手掛けており、中でも製造業向けのシステム構築の経験が豊富です。そこで培った現場ユーザーの作業プロセスに関する知見を活用して、直感的な音声入力を可能にすることを目指し、普通の口調で発話しても数値や単位を正確に認識できるようにするなど、機能やUIを磨きこみました。
また、認識精度が高いことで定評のある国産音声認識エンジンを組み込んでいますが、それだけではなく90㏈程度の騒音レベル――ゲームセンターやパチンコ店くらいの音量です――の環境でも音声入力ができるようチューニングすることで、工場の機械音や建設現場などの厳しい条件下でも活用していただける製品として開発しています。

――この製品はどういったきっかけで生まれたのでしょうか。

須田 過去に当社のお客さまから、品質管理システムの構築に関するご依頼をいただいたことがあったのですが、そのシステムは生産工場で得られるさまざまなデータを入力し、その情報を利用することを前提にしていました。しかし、実際の現場である工場の環境は、入力端末までの距離が遠くて移動が大変だったり、そもそも設置するスペースが確保できなかったり、作業者が安全のために分厚い手袋をしていてキー操作ができないなど、キーボードを用いたデータ入力をするには非常に条件が悪かったのです。

その課題を解決するための方法を考え抜いた結果、音声入力を活用する方法にたどり着きました。試行錯誤の末に音声入力システムを開発して提案した結果、納品した品質管理システム全体も使いやすいものになり、お客さまにも喜んでいただくことができました。

このプロジェクトでの経験を経て、「製造現場ではデータ入力に関する同じような悩みを持っているのでは?」と考えたことから、この音声入力システムをパッケージ化して販売することになり、このWorkingVoiceが誕生したのです。

――実際に製品として販売を開始してからの評判はいかがですか。

須田 実際に導入してご利用いただいたお客さまには、非常に大きく生産性が向上したと喜んでいただけるケースが多いですね。

現在取引のある大手機械メーカーのお客さまの例では、もともと利用を決めていた大手企業の製品の導入が上手くいかず、代替製品としてWorkingVoiceを選択いただきました。その後、使い勝手を高く評価いただき、いまでは同社の関西地区の工場を中心に広くご利用いただいています。

また、WorkingVoiceはお客さまのシステムの仕様に合わせてカスタマイズしてご利用いただけますが、企業で幅広く使われている表計算ソフトExcelへのデータ入力に対応した「WorkingVoice for EXCEL」も開発しました。
この製品も多くのお客さまにご利用いただいており、ある自動車部品メーカーの現場の社員の方が1セットをテスト導入され、社内の業務改善コンテストで提案したところ見事に2位を獲得し、工場長の目に留まってその工場内で全面導入が決まった例もあります。このお客さまのケースではひとつの作業工程あたり年間約80万円のコストダウンにつながり、投資コストを3か月半で回収して、業務の大幅な効率化を達成したとお聞きしています。

そのほかにも、現在、介護サービス事業者のお客さまへの導入を準備中で、高齢者の方の送迎や体調管理、レクレーション、入浴などのデータを音声入力で記録できるシステムが間もなく稼働開始する予定です。介護の基幹システムでは外部とのデータ連携が制限されているケースも多いのですが、RPA(ソフトウェアロボットを用いて定型業務を自動化する技術)機能を独自開発することでシステムへのデータ入力ができるようにするなど、お客さまの要望に応じて柔軟にカスタマイズ対応を行っています。

――今後、WorkingVoiceで実現したい機能や活用方法をお聞かせください。

須田 現在、WorkingVoiceはPCなどの端末ベースで動作させる形が中心になっていますが、モバイル版の開発を進めてきましたので、まずはその普及を図りたいですね。
モバイル版は「WorkingVoice for POCKET」という名称で、iPhoneなどを利用するものです。服のポケットに端末を入れてマイクをセットすれば、それだけで音声入力が可能になり、機動性、利便性が大幅にアップするはずです。

また、元は製造業のお客さまを想定して開発した製品ですが、先ほどご説明したとおり介護などの現場でも活用できますし、そのほかにも建設やロジスティクスの現場など、人が身体を動かして作業する業界であれば広く活用いただけると思いますので、より多くの方にこの製品を知っていただきたいですね。
活用範囲の拡大という意味では、テクノプロ・グループの中で障がい者雇用を行っている株式会社テクノプロ・スマイルで、手が不自由な方のデータ入力用途に向けて導入できないか検討しています。こういった社会的な意義のある活用方法も、今後ぜひ広げていきたいと考えています。
社内・社外を問わずWorkingVoiceにご興味ある方には、さらに詳しく機能や活用方法をご説明することもできますので、ぜひお気軽にお問合せください。

――本日はありがとうございました。

 

\ええじゃない課BIZ(TOKYO-MXテレビ)で紹介されました/

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テクノプロの音声認識システム「WorkingVoice」詳細ページ▼
https://www.technopro.com/promotion/workingvoice/
お問合せ:テクノプロ・IT社 ソリューション事業部 システムソリューション課
Ssjigyo-sam-it@technopro.com

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